光線療法(紫外線療法)
光線療法には大きく2つに分けることができます。
- PUVA(プバ)療法
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ソラレン(オクソラレン)という紫外線に敏感になる薬剤に長波長紫外線(UVA)照射を組み合わせたものです。
ソラレンをどのように使うかで、外用・内服・入浴(バス)という種類があります。それぞれを行うとき、方法・注意点が異なります。
- UVB療法
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入院で主に行われる方法で、外用PUVA・内服PUVAに比べて優れた点があります。
UVB療法は、照射にあたってなにも薬剤を使わず、中波長紫外線(UVB)の照射を行います。ナローバンドUVB、エキシマライトもUVB療法です。方法は手間がかかりませんが、疾患によってはPUVAバス療法に比べると効果がやや劣ります。
外来では週1から3回、入院では週に5回の照射治療を行うことがあります。外用剤でうまく効かなくなった場合も光線療法を併用し治療効果が得られます。
副作用として、紫外線でやけどをすることがあります。特にPUVA(プバ)療法では、ソラレン(オクソラレン)を塗った場所に日光があたるとやけどをしてしまうので、日光を遮る必要があります。また、長期間光線治療を受けた患者さんには、シミ、ソバカスのような色素沈着が治療回数に応じて増えてきます。回数が増えれば、皮膚腫瘍(がん)の発生につながる可能性があります。光線療法でも予防的に照射治療を受けるのはよくなく、うまく外用療法などと組み合わせることが必要と考えられます。
乾癬の治療
皮膚の病気ですから外用剤で治療するものが主体です。もちろん、皮疹が拡大すれば、内服あるいは外用と組み合わせた治療を行います。以前より光線療法(紫外線療法)もよく行われる治療です。最近では、乾癬の病態となる部分をピンポイントに抑える抗体(生物学的製剤)が登場しました。
主な治療方法
- ステロイド(副腎皮質ホルモン)外用療法
- ビタミンD3 (ドボネックス、オキサロール、ボンアルファ)外用療法
- ステロイド+ビタミンD3 外用療法
- ビタミンAエトレチナート(チガソン)内服療法
- シクロスポリンA (ネオーラル)内服療法
- 光線療法
- 生物学的製剤( ヒュミラ、レミケード、ステラーラ、コセンティクス)
上記の治療を基盤に乾癬治療を行います。もちろん、どの治療法を用いても、スキンケアは大切なことなので、白色ワセリンなどの外用も併せて行います。
乾癬には、いろいろなタイプがあります。尋常性乾癬、膿疱性乾癬、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、関節性乾癬というタイプですが、それぞれには、異なった治療が必要な場合があるので、患者さん自身がどの病型であるのかを知る必要があります。関節症状があるかどうか、病気の原因となる感染巣がるかどうか、炎症がどの程度か、などを把握する必要があります。また症状の範囲によっても治療選択が変わります。
どのような治療が最良かを十分に検討することから始まります。そのため、詳しい問診と一般的な血液検査と尿検査を乾癬の患者さんに行います。悪化因子となる内服薬もあります。その後、どの治療がよいかよく相談して治療に入ります。
また、同じ治療を長く続けると効果がなくなるという慣れの現象(タキフィラシー)を起こすことがあります。ですから、前に良かったといって、ずっと同じ治療ではうまくいかない場合もあります。いくつかの治療を組み合わせ順々に行うことも重要です。
出展:皮膚科光線療法推進の会
当院の皮膚科光線療法(紫外線療法)
当院では、ナローバンドUVB照射装置、ターゲット照射型ナローバンドUVB治療器を用いて皮膚科光線療法(紫外線療法)を行っています。
ナローバンドUVB照射装置
ターゲット照射型
ナローバンドUVB照射装置 ナローバンドUVB治療器
ナローバンドUVB照射療法は以下の疾患に保険適応があります
保険適応
・乾癬・白斑・掌蹠膿疱症・アトピー性皮膚炎・類乾癬・慢性苔癬状粃糠疹(滴状類乾癬)・菌状息肉症・悪性リンパ腫
こんな症状の方にお勧めしています
- 広範囲にわたる病変がある方
- 部分的に治りにくい病変のある方
- 頭の中に病変がある方
- 痒みがなかなか改善されない方
※白斑には比較的長期に照射が必要な場合が多いですのでご相談ください。